【過去問】トリクロロシランとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】

第3類の最後はトリクロロシランです。政令上「その他のもので政令で定めるもの」に分類される第3類唯一の指定物質で、これで第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)は全物質を網羅します。
引火点は0℃より低いのに「燃焼範囲が広いため引火の危険性は低い」という誤った説明がよく出題される、ひっかけの多い物質です。
強欲な青木燃焼範囲が広いなら、逆に引火しにくくなるんじゃないんすか?
消防設備士逆です。燃焼範囲が広いほど、それだけ引火しうる濃度の幅が広いということなので、引火の危険性は高くなります。トリクロロシランは燃焼範囲が1.2〜90.5vol%と非常に広く、引火点も低いため危険性が高い物質です。
このページを見たら危険物取扱者甲種の性質に出てくる「第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)トリクロロシラン」に関する問題が得点源となるはず!
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1. トリクロロシランとは
トリクロロシラン(SiHCl₃)は、政令上「その他のもので政令で定めるもの」として第3類に分類される無色で刺激臭のある液体です。
引火点は0℃より低く、燃焼範囲は1.2〜90.5vol%と非常に広い

2. トリクロロシランの性状
| 項目 | 内容 |
| 外観 | 無色で刺激臭のある液体 |
| 沸点・引火点 | 沸点約32℃、引火点は0℃より低い |
| 燃焼範囲 | 1.2〜90.5vol%と広く、引火の危険性が高い |
| 水との反応 | 加水分解し、塩化水素(HCl)ガスを生成。分解の過程で発熱し、発火することがある |
| 溶解性 | ベンゼンや二硫化炭素などの有機溶媒によく溶ける |
強欲な青木水と反応して塩化水素…って、他の第3類物質とはちょっと違うガスなんすね。
消防設備士そのとおりです。カリウム・ナトリウム等は水素、トリクロロシランは塩化水素と、発生するガスが異なります。塩化水素は可燃性ガスではありませんが、腐食性が強く危険です。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】トリクロロシラン
【問1】 トリクロロシランの性状に関する、次の文の下線部分(A)〜(D)のうち、誤っているものすべてを掲げているものはどれか。
「トリクロロシランは、20℃において、(A)無色の(B)液体で、引火点は20℃より低いが、燃焼範囲が(C)狭いため、引火の危険性は低い。しかし、(D)水と反応して、塩化水素を生成するので危険である。」
- (A)
- (B)
- (C)
- (D)
- (A)と(B)
解答と解説を見る
正解:3
トリクロロシランの燃焼範囲は1.2〜90.5vol%と広く、そのため引火の危険性は高いのが正しい記述です。(C)の「狭いため引火の危険性は低い」が誤りです。(A)(B)(D)はいずれも正しい記述です。
【問2】 トリクロロシランの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色で刺激臭のある液体である。
- 沸点は約32℃である。
- 引火点は0℃より低い。
- 水と反応する。
- ベンゼンや二硫化炭素などの有機溶媒に溶けない。
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正解:5
トリクロロシランはベンゼンや二硫化炭素など多くの有機溶媒に溶けます。「溶けない」は誤りです。沸点約32℃、引火点0℃より低い、水と反応する点はいずれも正しい記述です。
チェック1(4択)
トリクロロシランが水と反応して生成するガスとして、正しいものはどれか。
- 水素
- 塩化水素
- アセチレン
- メタン
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正解:2
トリクロロシランは水により加水分解し、塩化水素(HCl)ガスを生成します。分解の過程で発熱し、発火することもあります。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
燃焼範囲が広い物質ほど、引火の危険性は低い。
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正解:✕
燃焼範囲が広いということは、引火しうる濃度の幅が広いということを意味し、引火の危険性は高くなります。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句・数値を答えなさい。
- トリクロロシランの沸点は約( ① )℃である。
- トリクロロシランの引火点は( ② )℃より低い。
- トリクロロシランは水と反応して( ③ )を生成する。
- トリクロロシランの消火には( ④ )などを用いた窒息消火が基本である。
解答と解説を見る
① 32 ② 0 ③ 塩化水素 ④ 乾燥砂
深掘り解説

① 「燃焼範囲が広い=危険性が高い」という物理化学の基本
燃焼範囲(爆発範囲)とは、可燃性蒸気と空気が「その濃度なら燃える」という範囲のことです。燃焼範囲が広いほど、引火・爆発しうる濃度の幅が広くなるため、危険性は高くなります。
トリクロロシランの燃焼範囲(1.2〜90.5vol%)は、ガソリン(約1.4〜7.6vol%)などと比べても非常に広く、これが「危険性が低い」という誤った選択肢としてよく狙われる理由です。

② これで第3類は全物質を網羅
トリクロロシランで、第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)の全物質の解説が完了しました。振り返ると、次のような整理ができます。
- 反応性の強さ:カリウム・ナトリウム>リチウム・カルシウム・バリウム
- 空気との反応が主:黄リン(自然発火性のみ)
- 空気・水どちらとも激しく反応:アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・ジエチル亜鉛
- 物質自体は不燃性だが発生ガスが危険:リン化カルシウム・炭化カルシウム・炭化アルミニウム
- 液体で燃焼範囲が広い:トリクロロシラン
「自然発火性・禁水性」という1つの括りでも、物質ごとに危険の性質が異なることを意識して整理しておきましょう。
まとめ
- ✓
トリクロロシラン(SiHCl₃)は無色で刺激臭のある液体、沸点約32℃
- ✓
引火点は0℃より低く、燃焼範囲は1.2〜90.5vol%と広い
- ✓
燃焼範囲が広いほど引火の危険性は高い(狭い=安全ではない)
- ✓
水と反応して塩化水素を生成する
- ✓
消火は乾燥砂による窒息消火(水系消火剤は不可)
強欲な青木これで第3類が完走っす!次は第5類(自己反応性物質)っすね!
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