【過去問】亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙1】

第1類(酸化性固体)には、ここまでの塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物のほかにも、いくつかの品名グループがあります。この記事では亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類をまとめて整理します。
具体的には亜塩素酸ナトリウム・臭素酸カリウム・臭素酸ナトリウム・硝酸カリウム・硝酸ナトリウム・硝酸アンモニウム・ヨウ素酸ナトリウムの7物質です。個別の毒性・爆発性よりも、日常生活や産業で実際に使われている用途と結びつけて覚えるのが効率的です。
強欲な青木硝酸アンモニウムって、肥料に使われてるやつっすよね?危険物なのに肥料でいいんすか?
消防設備士肥料として広く使われていますが、大量に集積・加熱されると爆発する危険物でもあります。実際に世界各地で硝酸アンモニウムが原因の大規模爆発事故が起きています。身近さと危険性は別問題なんです。
このページを見たら危険物取扱者甲種・乙1の性質に出てくる「第1類(酸化性固体)亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. 亜塩素酸塩類・臭素酸塩類の性状

亜塩素酸ナトリウムは酸と接触すると有毒な二酸化塩素ガスを発生する点が要注意です。臭素酸塩類は塩素酸塩類と似た性質を持ちます。

| 物質名 | 化学式 | 特徴 |
| 亜塩素酸ナトリウム | NaClO₂ | 白色の結晶。水に溶ける。酸と接触すると有毒な二酸化塩素ガスを発生する。可燃物との混触にも注意 |
| 臭素酸カリウム | KBrO₃ | 無色の結晶。水に溶ける。加熱すると分解して酸素を放出する |
| 臭素酸ナトリウム | NaBrO₃ | 無色の結晶。水に溶けやすい。加熱すると分解して酸素を放出する |
2. 硝酸塩類の性状
硝酸塩類は身近な用途を持つ物質が多く、用途とセットで覚えると定着しやすいグループです。

| 物質名 | 化学式 | 特徴 |
| 硝酸カリウム | KNO₃ | 無色の結晶。水に溶ける。加熱で分解し酸素を放出。黒色火薬の原料(硫黄・木炭と混合)として有名 |
| 硝酸ナトリウム | NaNO₃ | 無色の結晶。潮解性がある。水に溶けやすい。肥料としても使われる |
| 硝酸アンモニウム | NH₄NO₃ | 無色または白色の結晶。無臭。潮解性があり水に非常によく溶ける。加熱により分解し有毒ガスを発生。肥料として広く使われるが、大量集積時の爆発事故が世界各地で発生している |
強欲な青木硝酸アンモニウムって、何か強いニオイがしそうなイメージあったっす……
消防設備士そこが定番のひっかけです。硝酸アンモニウムは無臭で、「刺激臭を有する」という記述は誤りとして出題されます。アンモニアの仲間だから臭いがありそう、という思い込みで間違えやすいポイントです。
3. ヨウ素酸塩類の性状
ヨウ素酸ナトリウム(NaIO₃)は、以前に学んだヨウ素酸カリウムの仲間です。無色の結晶で水に溶け、加熱すると分解して酸素を放出する酸化剤です。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類
【問1】 硝酸アンモニウムの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 無色または白色の結晶である。
- 刺激臭を有している。
- 水によく溶ける。
- 加熱により分解し有毒なガスを発生する。
- 潮解性がある。
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正解:2
硝酸アンモニウムは無臭です。「刺激臭を有している」は誤り。1・3・4・5はいずれも正しい記述です。

【問2】 次に掲げる危険物とその性状の組合せとして、正しいものはどれか。
- 塩素酸カリウム………加熱すると分解して酸素を発生する。
- 過塩素酸ナトリウム………水には溶けない。
- 過酸化カリウム………水と反応して水素と熱を発生する。
- 過マンガン酸カリウム………無色または白色の粉末である。
- 硝酸ナトリウム………潮解性はない。
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正解:1
5に注目してください。硝酸ナトリウムには潮解性があります。「潮解性はない」は誤りです。
【問3】 次の危険物が可燃物と混触して火災となった場合、水による消火が適当でないものはどれか。
- 塩素酸バリウム
- 過塩素酸アンモニウム
- 過酸化カルシウム
- 亜塩素酸ナトリウム
- 硝酸カリウム
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正解:3
無機過酸化物(過酸化カルシウム)だけが水との反応で発熱・酸素発生するため注水消火が不適当です。亜塩素酸ナトリウム・硝酸カリウムを含む他の選択肢は、いずれも水による冷却消火が有効です。
チェック1(4択)
亜塩素酸ナトリウムが酸と接触したときに発生する有毒なガスはどれか。
- 二酸化塩素
- 水素
- アンモニア
- 二酸化炭素
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正解:1
亜塩素酸ナトリウムは酸と接触すると有毒な二酸化塩素ガスを発生します。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
硝酸カリウムは、硫黄・木炭と混合して黒色火薬の原料として使われる。
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正解:○
硝酸カリウムは、硫黄・木炭と混合され黒色火薬の原料として古くから使われてきました。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句を答えなさい。
- 硝酸アンモニウムは( ① )で、潮解性があり、加熱すると分解して有毒ガスを発生する。
- 硝酸ナトリウムには( ② )性があるため、「潮解性はない」という記述は誤りである。
- 亜塩素酸ナトリウムは酸と接触すると( ③ )を発生する。
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① 無臭 ② 潮解 ③ 二酸化塩素(ガス)
深掘り解説

① 硝酸アンモニウムが引き起こしてきた大規模爆発事故
硝酸アンモニウムは肥料として世界中で大量に生産・貯蔵されていますが、大量に集積された状態で火災や強い衝撃が加わると、爆発的に分解する性質があります。過去には港湾倉庫での大規模爆発事故が世界各地で報告されており、危険物としての側面が広く認識されるきっかけにもなりました。
試験では「肥料として身近=安全」という思い込みを崩す形で出題されます。身近な用途と危険物としての性質は別、という視点は次亜塩素酸カルシウムの回でも触れた考え方です。

② 硝酸カリウムと黒色火薬の関係
硝酸カリウムは、硫黄・木炭とともに黒色火薬の主原料として古くから使われてきました。硝酸カリウムが酸素を供給し、硫黄・木炭が燃料となって燃焼する——この組み合わせは、酸化性固体である第1類危険物の本質的な危険性(可燃物と組み合わさると爆発的に燃焼を助長する)をそのまま表しています。
まとめ
- ✓
亜塩素酸ナトリウムは酸と接触すると有毒な二酸化塩素ガスを発生する
- ✓
硝酸ナトリウムには潮解性がある(「潮解性はない」は誤答パターン)
- ✓
硝酸アンモニウムは無臭で、潮解性があり水によく溶け、加熱で有毒ガスを発生する。肥料としても使われるが大量集積時の爆発事故例がある
- ✓
硝酸カリウムは黒色火薬の原料(硫黄・木炭と混合)として利用される
強欲な青木身近な物質ほど油断できないっすね。次は過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類っすね!
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