【過去問】過塩素酸・過酸化水素とは?第6類(酸化性液体)を解説|危険物取扱者【甲、乙6】

いよいよ最後の第6類(酸化性液体)です。まずは過塩素酸・過酸化水素を解説します。第6類はそれ自体は不燃性(自分では燃えない)だが、強い酸化力で他の物質を発火させるという、これまでの類とは正反対の性質を持ちます。
貯蔵容器の栓の扱いが物質によって逆になる点にも要注意です。
強欲な青木過酸化水素って消毒液のイメージがあるんで、密栓してしっかり保管すればいいんすよね?
消防設備士それは危険です。過酸化水素は20℃でも徐々に分解して酸素を発生するため、密栓すると内圧が上昇して危険です。容器には通気孔のある栓を使う必要があります。一方、過塩素酸は容器を密栓して貯蔵します。
このページを見たら危険物取扱者甲種の性質に出てくる「第6類(酸化性液体)過塩素酸・過酸化水素」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. 第6類(酸化性液体)とは
第6類はいずれも不燃性の液体で、自らは燃えませんが、酸化力が強いため還元性物質・可燃性物質と混ざると発火することがあります。
過塩素酸・過酸化水素はいずれも強力な酸化剤だが、貯蔵時の栓の扱いは正反対

2. 過塩素酸・過酸化水素の性状比較
| 物質名 | 特徴 |
| 過塩素酸(HClO₄) | 刺激臭のある無色の発煙性液体。比重1.8。多くの金属と反応して水素を発生。無水物は密閉していても自然分解して爆発。容器は密栓して冷暗所に貯蔵 |
| 過酸化水素(H₂O₂) | 純粋なものは粘性のある無色の液体。比重1.5。水溶液は弱酸性。20℃でも徐々に分解し酸素発生。安定剤としてリン酸・尿酸・アセトアニリド等を添加。通気孔のある栓を使用(密栓厳禁) |
強欲な青木過酸化水素って、加熱すると水素が出るんすか?
消防設備士いいえ、過酸化水素が加熱・分解して発生するのは酸素です。水素ではありません。「水素を発生する」という記述は誤りの定番パターンです。過塩素酸が金属と反応して水素を発生するのとは対照的です。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】過塩素酸・過酸化水素
【問1】 過塩素酸の性状について、次のうち妥当でないものはどれか。
- 無色の液体である。
- 0℃では液体であるが、−50℃では固体である。
- 銅と激しく反応する。
- 加熱により分解して、塩化水素を発生する。
- 水溶液は強酸で、多くの金属と反応して水素を発生する。
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正解:2
無水物の凝固点は−102℃です。「−50℃では固体」は誤りです。
【問2】 過酸化水素の性状について、次のA〜Eのうち正しいものの組合せはどれか。
A 分解抑制剤としてアンモニアが用いられる。
B 加熱すると激しく分解して酸素を発生する。
C 水には溶けないが、エタノール、エーテルには溶ける。
D 高濃度のものは、皮膚に触れると薬傷を起こす。
E 無色で特有の芳香がある。
- AとB
- AとC
- BとD
- CとE
- DとE
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正解:3(BとD)
アンモニアは分解抑制剤ではなく、接触すると爆発の危険がある物質です(Aが誤り)。分解抑制剤(安定剤)はリン酸・尿酸・アセトアニリドなどです。過酸化水素は水によく溶けます(Cが誤り)。無色で刺激臭があります(Eが誤り、芳香ではない)。
【問3】 過酸化水素の貯蔵及び取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。
- 容器は通気口のあるものとし、冷暗所に貯蔵する。
- アセトアニリドを加えることで、分解を抑制する。
- 加熱すると、水素を発生する。
- 爆発の危険があるため、アニリンとの接触を避ける。
- 漏洩した場合、大量の水で洗い流す。
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正解:3
過酸化水素は加熱や光により分解して酸素を発生し、水になります。「水素を発生する」は誤りです。
【問4】 過酸化水素の分解を促進し、酸素を発生させるものは、次のA〜Eのうちいくつあるか。
A リン酸 B 直射日光 C 二酸化マンガン粉末 D 銅の微粒子 E 過酸化マグネシウム
1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 4つ 5 5つ
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正解:4(B、C、D、E)
分解を促進するのは直射日光・二酸化マンガン粉末・銅の微粒子・過酸化マグネシウムです。リン酸(A)は逆に安定剤として分解を抑制します。
チェック1(4択)
過酸化水素の貯蔵容器の栓として、正しいものはどれか。
- 完全に密栓する。
- 通気孔のある栓を用いる。
- 栓をせず開放する。
- 窒素を封入した密閉容器を用いる。
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正解:2
過酸化水素は20℃でも徐々に分解して酸素を発生するため、通気孔のある栓を用います。密栓すると内圧が上昇し危険です。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
過塩素酸は容器を通気孔のある栓で貯蔵し、過酸化水素は密栓して貯蔵する。
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正解:✕
記述が逆です。過塩素酸は密栓、過酸化水素は通気孔のある栓で貯蔵します。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句を答えなさい。
- 過塩素酸は多くの金属と反応して( ① )を発生する。
- 過酸化水素は分解すると( ② )を発生する。
- 過酸化水素の安定剤には、リン酸・尿酸・( ③ )などが使われる。
- 過酸化水素は( ④ )と接触すると爆発の危険性がある(塩基性物質)。
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① 水素 ② 酸素 ③ アセトアニリド ④ アンモニア
深掘り解説

① 過酸化水素は「酸化剤」にも「還元剤」にもなる
過酸化水素は通常は強い酸化剤としてはたらきますが、過マンガン酸カリウムのようなさらに強い酸化剤に対しては還元剤としてはたらくという、二面性を持つ珍しい物質です。
- 酸化剤としてはたらく場合:H₂O₂+2H⁺+2e⁻ → 2H₂O
- 還元剤としてはたらく場合:H₂O₂ → O₂+2H⁺+2e⁻
「相手が誰か」によって役割が変わる点は物理化学の酸化還元分野とも直結する重要ポイントです。

② 「密栓」か「通気孔」かは分解のしやすさで決まる
過塩素酸は常温では比較的安定なため密栓しますが、過酸化水素は常温でも自然に分解が進み酸素を発生するため、密栓すると内圧が上昇し容器が破損する危険があります。
この「密栓か通気孔か」の判断基準は、前に学んだ第5類のエチルメチルケトンパーオキサイド(通気性)とニトロセルロース(密閉性)の考え方と同じです。「常温で自然に分解が進むかどうか」で判断すると覚えやすくなります。
まとめ
- ✓
第6類は不燃性の液体で、自らは燃えないが酸化力が強い
- ✓
過塩素酸は多くの金属と反応して水素を発生し、密栓して貯蔵
- ✓
過酸化水素は分解して酸素を発生するため、通気孔のある栓を用いる(密栓厳禁)
- ✓
過酸化水素の安定剤はリン酸・尿酸・アセトアニリド
- ✓
過酸化水素は酸化剤にも還元剤にもなりうる(相手による)
強欲な青木次は硝酸っすね!第6類、続けていきましょう!
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