【過去問】三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素とは?第6類を解説|危険物取扱者【甲、乙6】

性状(個別物質)シリーズの最後は「ハロゲン間化合物」の三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素です。これで第6類(酸化性液体)、そして全79物質の性状解説が完結します。
これらは水と激しく反応してフッ化水素を生じる、これまでの第6類物質にはなかった禁水性の性質を持ちます。
強欲な青木第6類なのに水と反応するんすか?他の第6類物質と扱いが違うんすね。
消防設備士そのとおりです。ハロゲン間化合物は水系の消火剤(水・強化液・泡)が使えない、第6類の中でも唯一の例外です。消火には乾燥砂やリン酸塩類の粉末消火剤を使います。容器もガラス製・陶器製・金属製は腐食するため使えません。
このページを見たら危険物取扱者甲種の性質に出てくる「第6類(酸化性液体)三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. ハロゲン間化合物とは
ハロゲン間化合物は、2種のハロゲンからなる化合物です。加水分解しやすく、酸化力が強いという性質を持ち、第6類の中でも唯一「水との接触を避ける」という禁水性に近い扱いが必要です。
三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素は水と反応してフッ化水素を生じる

2. 3物質の性状比較
| 物質名 | 特徴 |
| 三フッ化臭素(BrF₃) | 刺激臭のある無色の液体(低温で固化)。比重2.8、沸点127℃。水と爆発的に反応し酸素とフッ化水素を発生 |
| 五フッ化臭素(BrF₅) | 刺激臭のある無色〜淡黄色の液体。沸点41℃で気化しやすい。水と接触すると爆発的にフッ化水素とBrOF₃を生成 |
| 五フッ化ヨウ素(IF₅) | 強い刺激臭のある無色〜黄色の液体。比重3.2、沸点101℃。ガラスを侵す。水と反応しフッ化水素とヨウ素酸を生成 |
強欲な青木ガラスを侵すって、貯蔵容器はどうすればいいんすか?
消防設備士陶器製、ガラス製、金属製の容器はすべて腐食するため使用できません。フッ素樹脂で加工された容器や、ポリエチレン等で内張りされた容器を使用します。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素
【問1】 三フッ化臭素の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
- 空気中で木材、紙などと接触すると発熱反応をおこす。
- 水と激しく反応する。
- 多くの金属と激しく反応する。
- 常温(20℃)では液体である。
- それ自体は爆発性の物質である。
解答と解説を見る
正解:5
ハロゲン間化合物は不安定ではありますが、それ自体が爆発性の物質ではありません。強力な酸化剤として、有機物や可燃物、水と反応することで発熱・発火・爆発を引き起こします。
【問2】 第6類の危険物の一般的な性状等について、次のA〜Eのうち妥当なものはいくつあるか。
A 水と反応しない。
B 有機物が混ざるとこれを酸化し、発火・爆発させることがある。
C 不燃物である。
D 無機化合物である。
E 多くは腐食性があり、皮膚をおかし、蒸気は人体にとって有害である。
1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 4つ 5 5つ
解答と解説を見る
正解:4(B、C、D、E)
ハロゲン間化合物は水と激しく反応してフッ化水素を生じます。「水と反応しない」(A)は第6類全体には当てはまりません。
【問3】 ハロゲン間化合物にかかわる火災の消火方法について、次のうち最も適切なものはどれか。
- 強化液消火剤を放射する。
- 乾燥砂で覆う。
- 二酸化炭素消火剤を放射する。
- 注水する。
- 泡消火剤を放射する。
解答と解説を見る
正解:2
ハロゲン間化合物は水と激しく反応するため、水系の消火剤(水・強化液・泡)は使用できません。乾燥砂やリン酸塩類の粉末消火剤を使用します。
【問4】 危険物の貯蔵、取扱いについて、次のA〜Dのうち、正しいものの組合せはどれか。
A 過酸化水素は、ふたに通気のための穴がある容器に貯蔵する。
B 硝酸が漏れた場合には、おがくずで吸収して廃棄する。
C 過塩素酸は、エタノールとの接触を避ける。
D ハロゲン間化合物は、ガラス容器で貯蔵する。
- AとB
- AとC
- AとD
- BとC
- CとD
解答と解説を見る
正解:2(AとC)
ハロゲン間化合物の貯蔵にはガラスや陶器製の容器は腐食するため使用できません(Dが誤り)。フッ素樹脂加工容器やポリエチレン内張り容器を使用します。
チェック1(4択)
五フッ化臭素の性状として、正しいものはどれか。
- 沸点は300℃以上で揮発しにくい。
- 沸点は41℃で気化しやすい。
- 水とは反応しない。
- 固体である。
解答と解説を見る
正解:2
五フッ化臭素の沸点は41℃で、ハロゲン間化合物の中でも特に気化しやすい物質です。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
ハロゲン間化合物は、それ自体が爆発性の物質である。
解答と解説を見る
正解:✕
ハロゲン間化合物は不安定ですが、それ自体は爆発性ではありません。強い酸化力によって他の物質を発火・爆発させる点が危険性の本質です。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句を答えなさい。
- ハロゲン間化合物は水と反応して( ① )を発生する。
- ハロゲン間化合物の消火には( ② )や粉末消火剤を用いる(水系は不可)。
- ハロゲン間化合物の貯蔵容器には、( ③ )樹脂加工容器やポリエチレン内張り容器を用いる。
- 五フッ化ヨウ素は( ④ )を侵す性質がある。
解答と解説を見る
① フッ化水素 ② 乾燥砂 ③ フッ素 ④ ガラス
深掘り解説

① 第6類の中の「特別ルール」を最後に総整理
第6類は基本的に「不燃性・水系消火剤OK」という共通ルールがありますが、ハロゲン間化合物だけはこの原則から外れる例外です。
- 過塩素酸・硝酸等:水系消火剤(水・強化液・泡)が有効
- ハロゲン間化合物:水と激しく反応するため水系消火剤は厳禁、乾燥砂・粉末消火剤のみ
「第6類=水で消火できる」と一括りにせず、ハロゲン間化合物だけは例外だと覚えておきましょう。

② ここまでの性状(個別物質)シリーズを振り返る
この記事で、第2類・第3類・第5類・第6類の全個別物質の解説が完了しました(第4類は既存の乙4シリーズでカバー済み)。第1類も含めると、危険物取扱者試験で問われる主要物質をほぼ網羅したことになります。
各類で共通する考え方(自己燃焼性・不動態・貯蔵容器の使い分けなど)を横断的に振り返ると、知識がより定着します。
まとめ
- ✓
ハロゲン間化合物は水と激しく反応してフッ化水素を発生する
- ✓
それ自体は爆発性ではないが、強い酸化力で他の物質を発火させる
- ✓
消火は乾燥砂・粉末消火剤のみ(水系消火剤は厳禁)
- ✓
貯蔵容器はフッ素樹脂加工・ポリエチレン内張り容器(ガラス・陶器・金属は腐食)
- ✓
五フッ化臭素は沸点41℃で特に気化しやすい
強欲な青木これで性状(個別物質)シリーズが完走っす!次は甲種専用の物理化学、気体の状態方程式計算からいきましょう!
危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
▼
\そのまま試験に出ます/
※有料記事はnoteの仕組みで「全額返金可能」です。

📚 甲種:危険物の性状(個別物質)の記事一覧
甲種固有の個別物質解説はここから増えていきます。いま何回目かをここで確認できます。
- 1
【過去問】次亜塩素酸カルシウム・ヨウ素酸カリウムとは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る - 2
【過去問】塩素酸塩類・過塩素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る - 3
【過去問】無機過酸化物とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る - 4
【過去問】亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る - 5
【過去問】過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類とは?第1類(酸化性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る - 6
【過去問】硫化リン・赤リン・硫黄とは?第2類(可燃性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る - 7
【過去問】鉄粉・金属粉・マグネシウムとは?第2類(可燃性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る - 8
【過去問】引火性固体とは?固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテを解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る - 9
【過去問】カリウム・ナトリウムとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 10
【過去問】アルキルアルミニウム・アルキルリチウムとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 11
【過去問】黄リンとは?第3類(自然発火性物質)と赤リンとの違いを解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 12
【過去問】リチウム・カルシウム・バリウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 13
【過去問】ジエチル亜鉛とは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 14
【過去問】水素化ナトリウム・水素化リチウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 15
【過去問】リン化カルシウム・炭化カルシウム・炭化アルミニウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 16
【過去問】トリクロロシランとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る - 17
【過去問】有機過酸化物とは?第5類(自己反応性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 18
【過去問】硝酸メチル・硝酸エチルとは?第5類(硝酸エステル類)を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 19
【過去問】ニトログリセリン・ニトロセルロースとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 20
【過去問】ピクリン酸・トリニトロトルエンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 21
【過去問】ジニトロソペンタメチレンテトラミン・アゾビスイソブチロニトリルとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 22
【過去問】ジアゾジニトロフェノール・硫酸ヒドラジンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 23
【過去問】ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 24
【過去問】アジ化ナトリウム・硝酸グアニジンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る - 25
【過去問】過塩素酸・過酸化水素とは?第6類(酸化性液体)を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る - 26
【過去問】硝酸とは?第6類(酸化性液体)と不動態を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る - 27
【過去問】三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素とは?第6類を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る





コメント